記号の乖離 血統理論と遺伝学の乖離→量的形質とは
巷間に存在する血統理論が基本的に誤っているのは、競走馬の能力が量的形質である事が正確に理解されていない点にあると考えています。血統理論において遺伝学の知識はメンデルの法則が援用される等、生かされている部分があるのですが、馬の走る能力も血液型や毛色などの質的形質と同様に考えられ理論展開がされている点が問題になります。即ち、走る能力を決める特定された遺伝子(塩基配列)が代々引き継がれメンデルの法則により開花したりしなかったりするのではと考えられているのではと思います。
しかしながら、考えて見れば分かると思いますが、どんなに優れた心肺機能を持っていても、ポニー程度の体躯ではサラブレッドには勝てない(漫画の世界では勝ってしまう意外性の設定が受けていますが)訳です。少なくとも400Kg程度以上の体重とそれなりの脚の長さは必要です。
ところで、話が少し横道にそれますが、量的形質とは何かです。これと競走馬の血統理論に関してgoogleで検索して見ますと、トップページでは次の2つに関連したページしか引っかかりませんでした。一つはwikipediaの”競走馬の血統”もう一つは私が書いた”血統論がトンでもな理由”です。量的形質の遺伝に関してはgoogleで検索すれば学問としての統計遺伝学あるいは集団遺伝学の解説が読めます。ここで注意しなければならないのは巷間に流布している血統理論あるいは血統について書かれている書物の出版時期です。当時、既に量的形質の遺伝についての概念は出来上がっており、競走馬の走る能力は実体が何であれ科学的に突き詰めれば”量的形質”としてしか定義出来ない状況であった訳です。
量的形質とはに続く
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コメント
端的に生物学で判っていることは、
①馬,人等の種を決める.
②量質(筋肉質,内臓系,体力,スタミナ,パワー等)
③形相(毛色,顔の形,足の長さ,器用さ,気力,性格等)
に対して、
①は父母が各々交配する相手で当然の遺伝.
②は馬では競走の絶対能力で、ミトコンドリア遺伝子がそれ.
で、ミトコンドリア遺伝子は母系からしか遺伝しません.
つまり、父系で絶対能力を語るのはおかしな話しです.
が、取引で成功している人々は暗黙として知っています.
売れない馬を売るために父系で値札をつけていると推定.
③は馬では器用さで、小回りや重とかの得意不得意です.
なので交配で産まれる馬の競走能力は母系で決まります.
但し、大レースの行われるコースへの適性は父系が修飾.
ただ、結局は実績で最終的な個体評価が確定しますので、
あくまで血統だけで個体評価をするのは損だと思ってます.
投稿: メルカッツ | 2009年5月17日 (日) 11時14分
量的遺伝的な言葉が多数出てきますが、抜け落ちている?な事象がひとつ.
体力に直結すると言われるミトコンドリア遺伝子が母方からしか遺伝しない.
ということが十数年前に生物遺伝学的に発見されたことは周知と思います.
これは、古くはアリストテレス、ここ数百年では馬産で経験的に伝えられ、
競走馬界での繁殖では牝系に金を注込むのがある意味常識な事象の、
遺伝学的な裏付けが最近になってようやっと確立された.のだと診ています.
で、この事実検証無くして競馬研究されているとしたら集計は無駄と診ます.
父系は、小回りや器用さ重巧拙等,ある意味コース適性をのみ見るべきで、
毛色産駒が父系なのか母父系なのかを診ずに父系だけで語られる血統論は、
単なる、馬産の利益確保のための表向きの主張を鵜呑みにしているだけ.
血統吟味で集計すべきは、
父系の質的遺伝の成績平均からのコース別馬場別での偏りの有無かと.
母系の量的遺伝は成績平均値が示すとするくらいしか検証が難しいですが、
父系は集計可能かと.試算集計が得意な人にやってみて欲しいところです.
ただ、集計対象産駒が父系か母父系か隔世の母母父系新星かを診るのが難.
半分は母方ですから、毛色や四白,鼻白等からの分離手法確立が必要かも.
なんかラクな方法は無いのですかねぇ.
投稿: メルカッツ | 2009年5月27日 (水) 01時27分
コメント有難う御座います。母系、消失点母、基礎牝馬として取り扱っています。http://seedtheory.cocolog-nifty.com/hrptv5c/2006/09/post_74cb.html など
投稿: HRPTV5C | 2009年5月27日 (水) 07時14分
点母で定義される小岩井系へ遡り何かしらの集計吟味をされているのですね.
素晴らしい検証だと思いますが、つっこんで吟味すべきは、
血統や時計指数はチャンピオンデータ群を探す旅で、競馬のリスクとリターン.
チャンピオンデータ群吟味はされたのでしょうか?
集団設定は大きくても小さくてもまずいですが、吟味されたのは平均値だけ?
という素朴な疑問が浮上しますが如何でしょうか?
社台や古くは小岩井が世代を席巻した理由を知る旅はそこから始まると診てます.
繁殖牝馬が凡そ信じられない価格で取引される所以をデータで拾えるはず.
という命題の検証方法は無いものでしょうか?
その集大成で数百万円の馬券も確実に狙えると信じています.
現実に特定条件でコンスタントに穴を拾うことはできているのですが、
物理でいう統一理論的なものが探せないかと思ってますが、発散するばかりで.
投稿: メルカッツ | 2009年5月28日 (木) 23時47分
コメントありがとう御座います。一応、少し数学的になりますが、私が行っているのは、目的関数として各馬のレースに
おける速度、説明変数として騎手、調教師、距離、血統(父馬、基礎牝馬など)を用いた数量化1類(多変量解析)と言う方法で各馬のタイムを推定しています。分析対象は2004年からの全レースに出場した延べ20万頭以上です。従いまして平均値、競馬のリスクとリターンあるいはチャンピオンデータと言う概念は在りません。最後のご指摘は正しいと思います。競馬における正しく統一理論的なものを追求している訳です。
投稿: HRPTV5C | 2009年5月29日 (金) 08時40分
ちなみに、アンライバルドの別の敗因は重馬場です.間違い無いでしょう.
この辺の高速馬場決着の人気馬が、重馬場でコケる場合の集計.
何らかの一元的な方法で集計トライされるのも面白いと思います.
最近の売れっ子の予想者の棟広さんの馬場適性理論に通ずるところなのですが、
これもある意味、的を得ていて興味深いです.血統とリンクする一面でもあり、
同じネオユニバース産駒なのですが多分、直仔と診るべきはロジユニバースで、
母父系なのがアンライバルドではないか?と診ます.
こういうのを一元分離する方法があるなら集計して紹介して欲しいです.
チャンピオンデータ取扱い等々の色々な手法があるのだろうと思いますが.
投稿: メルカッツ | 2009年6月10日 (水) 23時09分